つい、「現代アート」と聞くと、
「なんだか難しそう」
「みても良くわからない」
「どう楽しめばいいの?」
・・・・と構えてしまう方も多いです。
この記事では、レジェンドから現在活躍中の作家さんまで、現代アートの作家5名の作品とエピソードをご紹介します!
現代アートの作家・作品を知ることをきっかけに、
これから、肩の力を抜いて気軽に「現代アート」を楽しみたいですね♪
目次
▷現代アート作家その①:ジョセフ・コスース
ジョセフ・コスースの作品紹介
作品①:ひとつのそして3つの椅子
「真ん中に椅子、左側に椅子の写真、右側には「chair」と書かれた紙」がある作品です
作品②:呪文、ノエマのために
「石に彫られたふたつのテキスト」が交錯する作品です
ジョセフ・コスースのエピソード紹介
・ジョセフ・コスースは、1945年アメリカ合衆国生まれのアーティスト
・コンセプチュアル・アートの草分け的存在である
・「芸術の存在理由を問うという考え自体」を芸術にしようとした→石に掘ったテキストは、目が見えないひとでも芸術を楽しめるようにという想いがある
・見た目の美しさや、制作に必要な技術などよりも、作品の「概念(コンセプト)」や「意味」を重要視している
▷現代アート作家その②:ヨーゼフ・ボイス
ヨーゼフ・ボイスの作品紹介
作品①:グランドピアノのための等質浸潤
この作品には、フェルトが素材として使われています。
(ボイスは、フェルト彫刻という新しいジャンルを開拓した人です)
作品②:Fat Chair
椅子が、その名の通り「Fat(太って)」しまっています。その結果、誰も座ることが出来ない椅子になっています。
ヨーゼフ・ボイスのエピソード紹介
・ヨーゼフ・ボイスは1921年生まれ~1986年没のドイツのアーティスト
・脂肪やフェルトを素材とした彫刻作品を制作した。激動の時代を生きたことから政治や環境問題にも参加し、その活動は多岐にわたった
・表現形式は、彫刻、パフォーマンス、執筆など多岐にわたる
(ヨーゼフ・ボイスの名言)
☑「人間は誰もが芸術家である」
☑「芸術とは、人間が自らの持つ創造力を用いて新たな社会を作り出そうとする全てのプロセスである」
▷現代アート作家その③:宮島達男
宮島達男の作品紹介
作品①:HOTO
HOTOとは「宝塔」のこと。無数のLEDのカウンターが付けられている巨大な塔です。
作品②:「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」
LEDのデジタルカウンターが1728個つけられた作品。20年ほど経過しているため、劣化でカウンターの個体差が生じています。
東京都現代美術館で観賞できる作品です。
宮島達男のエピソード紹介
・宮島達男は1957年生まれの日本のアーティスト
・東京藝術大学の大学院(修士)卒
・デジタルカウンターの数字の動きに「生」を感じ取ったことを出発点に、現在はデジタルアートの第一人者として世界的に評価される作家
・デジタルカウンターの刻む数字は「1」から「9」までであって、「0」(ゼロ)を表示しない。それは人間が生まれ、死に、再生する「輪廻(りんね)」の思想を表現している
・「Art in You(芸術はあなたの中にある)」という考え方
▷現代アート作家その④:宮永愛子
宮永愛子の作品紹介
その①:トランク
トランクは樹脂で作られていて、中に入っている白い鍵はナフタリンで作られたもの
作品その②:夜に降る景色 -時計-
ナフタリンの昇華により徐々に時計は形を失います。
でも、昇華したナフタリンはケ一ス内にとどまり続けて、結晶となって日々形を変えていきます。
宮永愛子のエピソード紹介
・宮永愛子は1974年生まれの日本のアーティスト
・東京藝術大学の大学院(修士)卒
・"常温で、空気中に紛れて形が見えなくなるナフタリン"や"海の塩"といった、環境により変化する素材を使って、時間経過とともに形が変容する作品を制作する
・その手法で「変わりながらも存在し続ける世界」を表現している
▷現代アート作家その⑤:ピーター・ドイグ
ピーター・ドイグの作品紹介
その①:のまれる
2015年のクリスティーズ・オークションで、約2600万米ドル(当時約30億円)で落札された作品。
自然や生命に甚大な影響を与えたチェルノブイリ原発事故(86年)に影響を受け「自然の美しさと毒性を描こうと思った」と語る。
その②:「ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ」
横3メートル近い大作。ドイツの古い絵葉書と、ドイグ自身の写真をもとに制作された。
ドイグの作品には「カヌー」がモチーフとしてよく登場しますが、この作品の湖の上にも、カヌーが小さく描かれています。
ピーター・ドイグのエピソード紹介
・ピーター・ドイグは、英スコットランドで1959年に生まれ、カナダとカリブ海のトリニダード・トバゴで育った
・いわゆる「現代アート」である「コンセプチュアル・アート(空間や概念を大事にするアート)」が席巻していた時代に、あえてドイグは絵画を選んだ。
・1辺2m以上の大きな作品を制作することが特徴
・絵画の可能性を切りひらいてきたドイグは、自分の絵画スタイルを変化させるなど表現を追求し続けることから、「画家の中の画家」と評されている
・東京国立近代美術館で2020年に大規模な『ピーター・ドイグ展』が開催された
まとめ
この記事では、レジェンドから現在活躍中の作家さんまで、現代アートの作家5名の作品とエピソードをご紹介しました!
気になる作品、心に留まる作品はありましたか?
現代アートは、コンセプトや意図が分かりづらい作品もありますが、
向きあうことで「とてもキレイ」「心にひびく」「少し悲しくなる」といった、自分の心の動きに気付いてあげられるきっかけともいえますね。
見てすぐに、きちんと理解しようとするより、心のおもむくままに楽しむのが現代アートの楽しみと言えます。
現代アートの作家・作品を知ることをきっかけに、
肩の力を抜いて気軽に「現代アート」を楽しみましょう♪